小児歯科とは
小児歯科専門医って知っていますか?
小児歯科専門医は、大学附属病院などで小児歯科の診療技術のトレーニングをし、試験を受けて合格することによって得られる、厚生労働省の認可を受けた資格です。日本には現在10万人を超える歯医者さんがいますが、小児歯科専門医はたった1%の1,200人しかいません。
(日本小児歯科学会HPより)子供の年齢による当医院の治療
2歳以下 | 歯磨き習慣や生活習慣のアドバイス、歯磨き指導、フッ化物の応用などの予防処置 などを行います。 |
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2歳〜6歳 | 歯磨き習慣や生活習慣のアドバイス、歯磨き指導、フッ化物の応用などの予防処置 などを行います。 むし歯があるケースはむし歯治療を実施。歯並びに対する診察。 |
6歳〜 | 歯磨き習慣や生活習慣のアドバイス、歯磨き指導、フッ化物の応用などの予防処置 などを行います。 永久歯が生え始める時期なので、永久歯の予防処置(シーラントなど)むし歯があるケースはむし歯治療を実施。歯並びに対する診察。 |
治療前(治療スタート前)の事前トレーニング
◀ トレーニング
どうしても怖がったり泣いたりするお子様に対しては、事前のトレーニングを行います。
トレーニングといっても歯医者に慣れるための段階的な方法です。
- 最初は、診療台に座るだけ、歯磨きをするだけ
- 口の中の唾液や水をバキュームで吸いとる
- 少しでも頑張ったら誉めてあげて声がけする
乳歯のむし歯予防の大切さ
乳歯は永久歯が生え変わる時の大事な道標です。
永久歯が生える前に抜けてしまったりむし歯になったりすると、永久歯のための十分なスペースが確保されず、歯並びが悪くなってしまいます。
また、むし歯菌が永久歯に移ることもあります。
お子さんを歯医者さん嫌いにしないために
小さい時に受けた最初のインパクトは、その後の成長過程においても引きずる傾向にあります。
最初に「歯医者さんは怖い」というイメージを持っている子供は、大人になっても苦手とおっしゃる方が多いようです。
1:嘘はつかない
治療の際には大人も子供も関係なく痛いことは嫌なものです。こちらとしても痛みを与えないよう注意を払いますが、痛みを感じてしまうことはあると思います。「今日は痛いことしないから行こう」や「今日は見るだけだから」など保護者の方が言ってしまう場合があります。このような約束は歯医者さんのみならず、保護者の方に対しても不信感を抱かせてしまいます。その後の信頼関係を築いていく上で障害となる場合があります。
2:とにかく褒める
診療後はとにかく褒めてあげて欲しいです。多少泣いてしまったりできなかった事はあったかもしれませんが、そこは目をつぶり、「よくがんばったね」「○○が出来てえらかったね」と出来たことを積極的に褒めてあげてください。成功体験の小さな積み重ねが「次もがんばろう」と思えるようになり、だんだん嫌じゃなくなっていきます。
むし歯予防基礎知識
むし歯はうつる?
最近の研究によるとむし歯はむし歯菌(う蝕原生菌)による感染症と言えるでしょう。 ただしそのメカニズムは複雑で、一概にむし歯菌だけが悪いわけではなく、歯の質、唾液、食べ物、特にそれに含まれる糖質、さらに時間が深く関係してむし歯が出来ます。 むし歯菌の中で最も病原性が強いのはミュータンスレンサ球菌です。このミュータンス菌は赤ちゃんの最初の乳歯が生えた直後に周囲から感染し、早期に定着すると言われています。
口移しは危険!!
家庭内でのミュータンス菌の感染が指摘されています。むし歯菌の多いお口のご両親、祖父母から乳歯萠出後の赤ちゃんへの口移しは出来るだけ避けて下さい。
ただし、上で述べたようにむし歯菌だけがむし歯発生の原因ではないのでミュータンス菌の感染=むし歯ではありません。むし歯の発生には家族的傾向がみられます。つまり、むし歯菌の量、質などに加えて、食生活、嗜好、お口への関心度、お口の清掃状態などはご両親を見てお子さんは育つものです。
おっぱいとむし歯と断乳
おっぱいむし歯
1才半ころから2才半頃に主に上の前歯にできるむし歯です。(夜間)寝かしつけながらの授乳、だらだらと不規則な授乳などおっぱいが原因で発症します。寝ている時は唾液の分泌が減少するため歯がおっぱい浸けになるために出来やすいのです。 歯の健康から考えると、1才過ぎにはおっぱいを終わらせたいですね。
哺乳ビンむし歯
おっぱいむし歯とほぼ同じ時期・同じ部位にできます。寝かしつけのため哺乳ビンの中にミルク、乳酸菌飲料、スポーツドリンクなどを入れて飲ませることで発症します。寝ているときは唾液の分泌が減少するため出来やすいのです。歯の健康から考えると、1才過ぎには哺乳ビンも終わらせたいですね。 なんらかの理由ですぐに止められない時はおっぱいの場合、少しずつ授乳時間を短くしてみましょう。哺乳ビンの場合は中身を水、お茶に変えてみてください、それもダメなときは中身を徐々に薄めることをお勧めします。一番いいのはすぐに止めることなのです。これはとても難しいのですが、毅然としたお母さんの決心とお父さんの協力で計画を立てて取り組みましょう。週末にかけて、お父さんの休暇を利用しての3日間でチャレンジしてみてください。だいたい3日間ぐらいでとれるはずです。
断乳する時期はいつ?
お誕生日を過ぎるころには前歯が上下4本程度生えているはずです(時々まだ生えていないこともあります)。
赤ちゃんはこの前歯を巧みに使って色々なものを食べたり、確認したりします。離乳食も上手に食べている頃ですね。
授乳以外の母子関係も芽生えはじめる頃ですので、小児歯科的にはお誕生日過ぎが断乳の開始時期と考えます。
1才半~2才児のむし歯予防
第一にお口を清潔にすることです。1日最低2回のお母さん磨きを心がけましょう。特に夕食後(寝る前)は念入りに。
むし歯は寝ている間につくられます。第二は飲み物に注意です。乳酸菌飲料、炭酸飲料、スポーツドリンク、100%ジュース、コーヒー牛乳などは極力避け水分補給はお水、お茶にすることです。この時期のむし歯発生の原因の大部分は飲み物むし歯といってもいいでしょう。
2才時のむし歯の好発部位は上の前歯の歯と歯の間と乳臼歯のかみ合わせの溝の部分です。これを防ぐのには、前歯の間のデンタルフロスによる清掃、乳臼歯のシーラントによる溝埋めの処置が有効です。
第三はそろそろ、フッ素塗布です。小児に対するむし歯予防には、フッ素が非常に効果的であるため、これを積極的に利用しています。3歳以下の場合、外来にてフッ素を歯に塗布する方法を、3歳以上の場合にはご家庭でフッ素入りの洗口剤(ミラノール)を利用してもらう方法を採用しています。
変化の激しい子供の口腔環境
子どもの口腔内は、無歯顎期−乳歯列期−混合歯列期−永久歯列期と著しく変化します。
特に歯その物がやわらかい乳歯列期と混合歯列期はむし歯になりやすい時期であり、またむし歯の進行も早い時期のため、健全な口腔環境を維持していくには定期管理が大切です。
乳歯列期
やわらかい乳歯のむし歯にご注意ください!
永久歯よりも小さい乳歯はエナメル質や象牙質の厚みが半分ほどしかありません。
歯の石灰化も不十分でやわらかいため、むし歯菌に感染するとすぐに大きなむし歯になってしまいます。また、乳歯のむし歯はこれから生える永久歯への感染リスクもあります。乳歯には永久歯が正常に生えるための足がかりとなるため、乳歯の早期喪失は将来の歯並びにも影響することがあります。乳歯の健康は永久歯の健康に影響するため、より一層の注意が必要です。
混合歯列期
“幼若永久歯”と“でこぼこした歯並び”に要注意幼若永久歯とは生えたばかりの未成熟な永久歯のことです。歯の石灰化が不十分なことから、歯面が粗くやわらかいため、乳歯と同様にむし歯になりやすい歯とされています。丈夫な永久歯になるまで5年ほどかかるため、より一層の注意が必要です。混合歯列期は小さな乳歯と大きな永久歯が混在する“でこぼこした歯並び”の時期です。ただでさえ歯磨きが難しいのに、むし歯になりやすい乳歯や幼若永久歯が並ぶため、子どもだけではむし歯予防はできません。混合歯列期は将来に渡る口腔の健康を獲得できるかどうかの大切な時期です。予防治療を有効活用して口腔の健康も育んであげましょう。
子どもたちのお口の健康を守るために!
- 無理矢理な治療はしない
- むし歯の状態を正確に把握する
- 歯を削る時は可能な限り最小限に留める
- むし歯になりやすい乳歯を守る
- むし歯になりやすい生えたばかりの永久歯も守る
- 歯とお口の健康が大切なことを伝える
- 歯みがき上手な子を育てる
当院の子供の歯科治療
当院の子どもの歯科治療は予防治療が中心です。
むし歯や歯周病を予防し、永久歯が正常に生えるように歯並びも診ていきます。どの治療もお子様の様子を見ながら進めておりますので、ご安心ください。
小児歯科専門医ならではの口腔保険指導(歯磨きの仕方や食事の取り方)にもご期待ください。