小児矯正歯科
「治す」矯正治療から「予防する」矯正治療へ
当院では非抜歯(歯を抜かない)が基本の矯正治療を行っています。
歯並びの異常はなぜ起きるのでしょう?現在のお子さんの歯並びは、お口の周りの筋肉のバランス、食べたり、飲んだり、しゃべったりの機能や日常生活の呼吸や姿勢によりつくられた結果です。 乳歯列(~6歳)において、骨格の異常や筋機能の異常を早期に発見することが予防する矯正への近道です。
当医院では、乳歯初期の幼少から、混合歯列期の小学生の時期に「歯を抜かない床矯正」を基本とする、お子様の成長にあった機能的矯正を行なっております。そのためには、矯正を開始する時期がとても重要です。 犬歯(糸切り歯:第3歯、9〜10才ごろに萌出開始)が生える前の8才位までが一番適しています。
ここでの治療は、咬合誘導(こうごうゆうどう)という永久歯を正しい位置で咬ませるための、かみ合わせ誘導法で、歯並びが悪くなるような因子をすべて除去し、正しく顎を成長・発育させるための装置をつける治療法です。 この時期に治療を始めることで80%の患者さんが永久歯を抜かずに矯正することができます。あごの骨に働きかけ、より好ましい顔の形へと導きます。さらに現在では「正しい呼吸がしやすい」あごの位置まで考えた矯正治療に進化しました。重点を置いているのは、いかに正しい鼻呼吸がしやすい噛み合わせにするかという事です。
機能的矯正とは?
機能的矯正は噛む力や舌の力を使って、歯と顎に働きかける3歳から可能な矯正方法です。呼吸や姿勢を改善し、顎の骨のすこやかな成長を促し、人間本来の成長発育にする治療法です。治療の第一段階は1日の睡眠時間を使って、取り外しのきく機能的矯正装置を装着し、顎を拡げることによって無理な噛み合わせから解放します。
機能矯正の特徴
- 1.痛くない
- 2.歯を抜かない
- 3.口呼吸改善
- 4.治療後の顔が自然になる
- 5.発育バランスに重点を置く
- 6.上下の歯が一緒に治る
- 7.むし歯になりにくい
- 8.治療後の後戻りが少ない
- 9.食事の時には外せるので、なんでも食べられる
骨格と口呼吸
顔の骨格は、気道が狭いなど見えない障害によっても変化します。
最近、アデノイド顔貌と見られる子どもが多くいます。これは、口をぽかんと開けている、唇がぽってりしていている、鼻がふくらんでいる、涙目、姿勢がだらしないなどの共通項があり、決まって口で呼吸をしています。
口呼吸が要因の扁桃肥大は、十分な眠りをさまたげ、子どもの睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす原因にもなります。脳の中の記憶をつかさどる海馬に空気がいかず、結果、成長障害、ADHD、学習障害、おねしょ、高血圧などの症状が出る可能性があります。
扁桃腺がとても大きく腫れています。これでは鼻で息をするのが苦しいわけです。 そのため口呼吸が習慣になっています。
アレルギーと歯並び
歯並びが呼吸と大きな関係があることは前述してきた通りです。 では、なぜ、口呼吸をするようになるのかといえば、鼻の後ろにあるアデノイド(咽頭扁桃)などの扁桃肥大が大きく関わってきます。空気の通り道がふさがれてしまうため、鼻呼吸ができなくなってしまうのです。
早期矯正をおすすめします。
一昔前は、早期矯正をしても永久歯になった時にはもう一度やり直さなくてはいけないから、あまり意味がないと思われていました。さらに、顎の骨がどう反応するかなどの情報がなく、早期矯正といってもただ早く歯並びを治すというものでした。
顎の骨に直接働きかけて、その大きさや形を理想的なものに近づけるというものです。ですから歯に装置をつけません。年齢が若いほど、骨は良く反応してくれますし、骨と骨のつなぎ目も柔軟です。
機能を育成するための装置
F・A(上下一体型の装置)
お口の中で浮いている状態。さらに咬む力が加わることで上顎が成長し、舌を上に上げることで落ち着きます。
治療の開始から、終了までのレントゲンです。空気の通り道がだんだん広くなっています。
歯並びもきれいになり後戻りも少なく、自然でしっかりと口を閉じる事が出来るように成りました。
その結果、歯の生える場所も確保できて、空気の通り道も広くなり、口呼吸から鼻呼吸への改善は、歯並びの後戻りを少なくするために重要です。さらに重要なのは、鼻呼吸が習慣になって、正しい呼吸が身に付くことで、心臓への負担を減らすことができ夜もぐっすり眠れるのです。
三段階の矯正治療を実践しています。
- 第一段階 機能の問題に対する矯正治療
- 第二段階 骨格の問題に対する矯正治療
- 第三段階 歯の問題に対応する矯正治療
第一、第二の段階で舌の位置や唇の形を好ましいものにして、それぞれが正しい機能を発揮できるようにします。これによって、顎の骨がこのましい成長パターンになります。必要があれば、顎の骨を広げて、全ての歯が生える事が可能なスペースをつくります。もし十分なスペースがとれて、しかも上下の顎の位置のバランスが良くなっていれば、永久歯は自然に生え変わり、自然と噛み合います。もし、それでも歯が捻転(ねじれ)していた場合は、従来の固定式装置を使って細かなコントロールをします。
矯正治療の流れ
①検査 (資料どり) | 検査料2万円 むし歯・歯肉炎のチェック、歯型採取、レントゲン撮影(パノラマ・セファロ)、口腔内写真撮影 |
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②カウンセリング | 治療計画、料金の説明 *状態により料金は変わります。 また、気になる部位のみの矯正も可能ですのでカウンセリング時にご相談させて頂きます。 |
③むし歯、歯肉炎が有る場合は先に治療 | |
④ブラッシング指導 | |
⑤機能矯正治療開始 |