当医院の歯周病治療の流れ
1. 応急処置
歯の痛み、歯肉の腫れ、詰め物が外れたなど、日常生活に不便が有る場合はまず主訴の解決を行い、ある程度日常生活に支障が無い状態まで治療を行います。
2. 精密検査 (当日は検査のみになります。)
3. 治療計画とカウンセリング
精密検査の結果をもとに病状の診断・治療計画を立て、カウンセリングルームにて約1時間、現在のお口の状況の説明とその原因の解説。ご意見ご要望を踏まえながら今後の治療計画の説明を行います。
4. 歯周基本治療
歯周病の原因である歯垢(プラーク)を確実に取り除くトレーニング(ブラッシング指導)磨いていると磨けているの差を少しでも縮め可能な限り清潔なお口の環境を作ります。徹底した歯垢(プラーク)・歯石の除去が歯周病の治療の基本です。 担当の歯科衛生士が責任を持って原因の除去をお手伝いいたします。
自己流の歯磨きを続けていても歯周病は治りません。
5. 再評価検査
再度、歯周病の検査(6点法歯周ポケット測定、根分岐部病変、歯の動揺度、その他)を行い歯周基本治療の効果の確認。
*全ての歯周ポケットが3mm以内で歯肉からの出血が無くなった状態が理想です。*初期の歯周病の場合、歯周基本治療のみで殆どが改善されるはずです。
6. 歯周外科処置
再評価検査の結果①歯周ポケットが改善されない場合。
②歯周ポケットの深い所に歯石・歯垢が残っていてどうしても除去できない場合。
などの歯周病の進んだ部位のみに行われます。
失われた歯周組織を再生させる、再生療法もこの時点で行います。
当医院では再生療法には平成29年4月から健康保険が認可されたリグロスを使用して行っております。
8. メンテナンス・SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)
SPTとは歯周病安定期治療(歯周ポケットは3mm以内にはなっていないが安定している)のことで、病状安定となった歯周組織を維持するために行う定期的な治療です。
それに対してメインテナンスは、治癒した歯周組織(歯周ポケットが全て3mm以内になった)を長期間維持するための管理と定義されています。 また根分岐部病変が有る場合などは必ずSPTが必要です。
当院は、平成29年1月「かかりつけ強化型歯科診療所」の施設基準の認定を受けました。
かかりつけ強化型歯科診療所とは、平成28年4月に厚生労働省が新たに定めた制度です。
今まで保険内でのSPTは3ヶ月に1回でしたが1ヶ月毎に保険診療で行う事ができるようになりました。
根分岐部病変とは
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません)。そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けてしまいます。
大臼歯と呼ばれる奥歯で約90%以上で枝分かれが起こります。この場所を「根分岐部(こんぶんきぶ)」と言います。
大臼歯の場合、歯周病が進行すると歯根の股の部分に有った骨まで無くなってしまいます。
この状態を根分岐部病変と呼びます。
根分岐部病変にはその進行度合いによりⅠ〜Ⅲ 度があります。
*15年間メインテナンス継続、進行は認められない。
根分岐部病変が見つかった場合どうすればよいか?
ハブラシでは根分岐部には届かないので、定期的(3ヶ月毎)に 先の細い専用の器具(超音波スケーラーのペリオチップ)で歯垢・歯石を除去する必要があります。 歯や歯ぐきの形を整えて歯ブラシが届きやすい形態にする場合もあります。 むし歯になりやすいのでフッ素などで予防する事も必要です。
ペリオウェイブ
当医院では、全身疾患などが有り歯周外科処置が行えない場合や、深い歯周ポケットが根分岐部病変が有る場合のSPTに使用しています。
歯周ポケット内に特殊な薬剤をいれ ペリオウェーブの光を照射します。光の照射だけなので、生体を傷つけることなく歯周病菌だけを殺菌することが可能です。その効果としては、歯周ポケット内の細菌数を約1万分の1まで減少させることが出来ます。
抗生物質の内服による歯周病の治療の場合、アレルギーの有無を心配したり、どうしても耐性菌の心配をしなければなりません。しかし、ペリオウェーブはこれらの心配をすること無くSPTを進めることができます。当然、痛みも全くありません。
バイオジェルで細菌を染色し、無熱の赤色光レーザーと化学反応させます。そうすることで、活性酸素を発生させ歯周病の原因となるグラム陰性菌を死滅させることができます。歯一本につき、約60秒程度の治療でいいので、とても簡単な治療であることが大きなメリットです。