入れ歯について
■メリット
- 侵襲が少ない
- 保険診療が可能(材料による)
- 簡単に作製できる
■デメリット
- 入れ歯の固定バネが見える場合がある
- 残っている歯や歯ぐきに負担をかける
- 違和感がある
部分入れ歯・総入れ歯の特徴
部分入れ歯 | |
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部分入れ歯は、1本~数本の歯を失った場合に受ける治療です。部分入れ歯の構成は、自分の歯の代わりとなる人工歯と、粘膜の上に乗る歯ぐきと似た色の義歯床(ぎししょう)これらを残っている歯に固定するためのクラスプ(留め具)からなります。 | |
総入れ歯 | |
総入れ歯は、すべての歯を失った場合に受ける治療です。 吸盤の原理で顎に吸い付いて維持されますので、表面積が広く必要になります。 |
1.保険診療の入れ歯
保険適用の入れ歯は材料や構造などが保険制度により定められています。
部分入れ歯・総入れ歯ともにレジン床というプラスチック製の土台に人工歯を並べた入れ歯になり、部分入れ歯には金属のバネ(クラスプ)が加わります。
プラスチック製の入れ歯のため、どうしても入れ歯自体にたわみが生じてしまいあまり力が入らない事が欠点です。
部分入れ歯
保険適用の部分入れ歯
レジン(プラスチック材)と金属の固定金具(クラスプ)からなる入れ歯です。
■メリット
- 入れ歯の製作費が安価
- 短期間での製作が可能
- 破損などの修理が比較的容易
■デメリット
- バネとフレームが一体でないため破損しやすい
- たわみが有るため噛む力が落ちる
- 味覚や温度など食感が伝わりにくい
総入れ歯
保険適用の総入れ歯
■メリット
- 入れ歯の製作費が安価
- 短期間での製作が可能
■デメリット
- 床の厚みが必要なため違和感が大きい
- 全てレジン(プラスチック材)のため噛む力が落ちる
- 厚みが有るため味覚や温度など食感が伝わりにくい
2.自費診療の入れ歯
自費診療の入れ歯は、保険適用の入れ歯の問題点を構造や材質を見直すことで解消した入れ歯です。
保険制度の制約を受けないため、見た目や使い勝手、装着感などを高めることができ、より精密な入れ歯をつくることができます。
金属床 部分入れ歯
フレーム(骨組み)とバネ(クラスプ)が一体で精密鋳造されているため、薄いにもかかわらず強度に優れるため、たわみが無く、密着性や装着感が優れている入れ歯です。 *レイザー溶接が可能なため歯が抜けてしまった場合、新しく作り直さずバネの追加修理が可能です。
■メリット
- 優れた密着性で装着感が良い
- 薄い金属のため熱伝導性が良く、温度が伝わり易いため味覚・食感がより感じやすい
- 発音しやすいため会話が容易になる
■デメリット
- 保険適用でないため高額
- バネ・フレームの修理は可能だが技工所で行うため預かる必要が有る
金属床 総入れ歯
フレームが精密鋳造されているため、薄いにもかかわらず強度に優れるため、たわみが無く、密着性や装着感が優れている入れ歯です。
■メリット
- 優れた密着性で装着感が良い
- 薄い金属のため熱伝導性が良く、温度が伝わり易いため味覚・食感がより感じやすい
- 発音しやすいため会話が容易になる
■デメリット
- 保険適用でないため高額
- バネ・フレームの修理は可能だが技工所で行うため預かる必要が有る
◎ 保険の総入れ歯と、自費診療の総入れ歯の比較
金属床で使用する金属の種類 | |
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コバルトクロム合金 | 金属床義歯の定番の金属として古くから使用されてきた実績があります。 保険の入れ歯の1/4程の厚みでありながら丈夫なため、長期間快適に使用できます。 |
チタン合金 | チタンは生体新和性が高く、重さはコバルトクロム合金の半分程度と非常に軽い金属です。 腐食に強く、金属アレルギーの心配も殆ど有りません。 |
磁性アタッチメント義歯
バネを掛ける歯が歯周病でぐらつきが有ると、そのような歯にバネを掛けても充分な維持・安定を得ることは難しくなります。これらの問題点を解消することの出来る方法として、磁性アタッチメントがあります。これは、バネの代わりに磁石の吸着力を利用する方法で、 残っている歯の根の上面と義歯の内面に磁石を取り付けます。この方法ですと、歯にかかる重心が下に下がるため歯にバネを掛けたときほどの負担をかけずに済みますので、 残りの歯に優しい治療となります。
■メリット
- 磁力で入れ歯を固定できる
- 密着性が高まり装着感が良い
- 密着性が高まり装着感が良い
- 弱い歯でも利用できる
■デメリット
- 保険適用でない
- 残っている歯に金属を埋め込むため根の治療が必要になる
ノンクラスプ義歯
見える外側に固定金具(クラスプ)のない部分入れ歯がノンクラスプ義歯です。
やわらかい樹脂製の入れ歯で、固定金具に相当する部分が歯ぐきに似せたつくりになっているため、目立つことがありません。
*当院では全く固定金具(クラスプ)の全く無い義歯の作成は行っておりません。
■メリット
- 見える外側に固定金具(クラスプ)が無いため目立ちにくい
■デメリット
- 保険適用でない
- 支持力が若干劣る
- 歯を覆う部分が多くなるため違和感が大きく成る
- 修理が難しい